もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

親戚相手にも「勝った・負けた」

母は自分のきょうだいやその配偶者の文句や悪口もよく言っていたので、親戚ってどこもそんなものかと思っていました。

特に前述のD(母の兄)の奥さんマスミのことはよくバカにしていました。

母って同じことばっかり言うので、D家の話が出ると「マスミちゃんって、おとーちゃん、おとーちゃん言うて、将来どないするんやろ。アニキがいつまで元気かもわかれへんのに、車の免許のひとつも取らんと」言葉は少しずつ違えどいつもこういうニュアンスで「マスミは夫に頼ってばっかり!」「運転すらしないで!」と、いつもマスミを小馬鹿にしていました。

その「おとーちゃん、おとーちゃん」のとこは鼻ほじりながら目を向いてちょっとアレな人を表現するみたいにパフォーマンスをします(ちなみにマスミは別に頭が足りないとかではない)

ちなみ母のきょうだいは、長男の出来が悪く、次男のDが事実上長男となって家も継いでいたので、マスミも「事実上長男の嫁」だった訳です。

典型的な、いかにも昭和!みたいなしきたりの農家の長男家(事実上だけど)に嫁ぐというのも、並大抵のことではないと思います。

今思うとあそこまでマスミをカゲで罵る理由がどこにあったのか?甚だ疑問なのですが。

これも結局、何かにつけてコンプレックスだらけの母が、マスミの出来が良いのが気に入らなかったのでは?とも思っています。実際マスミは何かやらかしたとかも聞いたことがないし、料理上手で、何歩も下がって夫を立てるというタイプでした。

多分、D家の集落内でも評判は良かったはずです。

あとは、Dはきつい頑固爺さんだけど、責任感は強く俺に着いてこい的な感じなので、自分が矢面に立たなくて良いマスミが羨ましかったんじゃないかな、と。

けれど、Dも毒親の気はあるし、あんな夫と暮らすのもなかなか厳しいだろうな、マスミもそれなりに苦労してきただろうなと感じます。

確かに、田舎で車がないと暮らせないような場所に住む割に免許もとらず誰か乗せて~というのは、嫌々運転をしていた母からしたら「マスミは、何を甘ったれてるんだ」と思うかもしれないけど、毎日毎日あんな頑固爺さんDの相手をこなしている訳です。田舎の農家なので近所付き合いだって大変です。言ってみたら、近所付き合いもほぼない、家族はみんな自分の言いなりの母なんてマスミからしてみたらそれなりに「お気楽」でしょう。

きっとマスミやその周りでは「運転免許がない」なんて、たかがしれてるんだと思います。実際、マスミが『お前、免許取れ!』とか言われているのも聞いたことないし、あの輪の中では必要ではなかったのでしょう。

それなのにマスミの「運転免許がない」程度のことをあげつらうあたり、母は自分の杓子定規でしかものを考えられないんだなと思うし、さらにそれを貶すのは、何かにつけて「自分が上!」「自分のが頑張ってる!」と、どうしても思いたかったのでしょう。

私はマスミはよくできた奥さんだなぁと思っていたし、母も内心わかってはいたけど、認めると「負けた」みたいで、嫌だったのでしょうね(前記事の、二極化思考ですね)

あとは「マスミは何かあればDに頼ればいいけど、うちは年上の頼りない夫だから」みたいな気もあり、余計羨ましかったのでしょうが

ただ…母が「矢面に立って一家を背負ってる」というのは、単なる母の勘違いですからね。

母はあくまでも「自分のやりたいことだけやる」だけで、多くは母も「おとーさん、おとーさん」でしたので…(役所関係・車関係・契約関係等、全部丸投げ。致し方なく自分がやるとなるとパニックで不機嫌→夫の死後は娘に丸投げする予定だった)

ちなみに、初めに出てきた出来の悪い長男と、その嫁はツッコミどころ満載だったらしく、その2人の悪口は言ってなかったです。自分の中で「アイツらはどうしようもない」「自分、絶対的勝利」と認定したら張り合う相手にすらしない、といったところでしょうか。

母を見てると、

・自分の恵まれているところには目を向けず

・人の羨ましいところばかりにフォーカスし

・わざわざコンプレックスを自分で増大させて

・他人を下げられるネタを見つけることで自分を保っていただけ

じゃないかなぁという印象を受けます。

母に限らず、世間でもこれが原因で毒をまき散らしている人、結構居そうです。