もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

「女子的生活」というドラマを見て

NHKの今期のドラマ「女子的生活

全4回なので先日終わりましたが、とても良いドラマだったので、今日はその感想を。

 

 

2話での主人公「みき」と、リストラに遭い鬱っぽくなった「ミニーさん」との対決が「うわぁ~~…既視感」って感じで(笑)

 

ミニーさんは、暖かく迎え入れてくれたみきに対しても、暴言を吐くわ、悪態をつくわ、言いたい放題。挙句の果てに、トランスジェンダーであるみきに「バケモノ」「変態」「気持ち悪い」という言葉を吐きます。

それでも動じないみきは、ミニーさんが鬱っぽいというのは嘘で、ただみきを「バケモノ扱いして、自分が上に立ちたいだけ」ということを見抜きます。

ミニーさんは、みきの「トランスジェンダー」いわば「一般的ではない」ことを、「劣」と見なすことで、リストラされて引きこもってしまった自分を優位に感じたかったのでしょう。

 

おそらくこういうことが世の中には溢れていて、マウンティングもその一種なんだと思います。

けれど、ミニーさんのように直接的でもなく、マウンティングはくだらないことと自覚してはいるけれど、自分が優位に立たないと気が済まない人もいます。

こういう人って「マウンティングしてる感」を必死に隠しているけど「優位に立ちたい願望」が漏れてしまっているので、言葉や態度にそういう要素が盛り込まれているんですよね(笑)

 

そういう時に便利使いされるのが「一般的ではない」何かがある人、なような気がしました。

この場合、ミニーさんにとって「気持ち悪い」存在の「トランスジェンダー」のみきは、普通じゃない!キモい!と、暴言を吐きやすい、恰好の餌食だったのでしょう。

 

みきは何を言われても「で?」って感じで、最後に「ストレスぶつけたかったんでしょ?バケモノに」とトドメをさし、図星をつかれたミニーさんはすごすごと帰って行きます。

 

自分が優位に立ちたいがために悪態をつく時のミニーさんは、件の元親友になんだか似ている気もしたし、昔の自分を見ているようでもあり、何だか恥ずかしくなりました。

 

別に、ミニーさんのように生きることを、否定はしません。

それもひとつの生き方だし「私は、やりたくない」だけのことですからね。

 

けれど、みきが「私はアンタの吐き出す泥の受け皿じゃない!」とハッキリ言ったことで

毒を撒き散らすこと・他人を見下げて優位に立つこと で自分の心の均整を保つ人とは、付き合いたくないなぁということ、再確認しました。

 

リストラされたミニーさんも十分災難だとは思う。

それを解消する方法として「自分よりどうしようもないヤツはおらんか」と、みきを標的にして優位に立って。

それで気持ちがおさまって、よ~し!また頑張るぞ☆と思って前向きになれるならそれも結構。

 

で、正直な話

母はこれで生きてこれたタイプなんだと思う(笑)

私も私で、母の「受け皿」で居なきゃいけないと思っていたしね。

けれど、それをやって母は、自分の劣等感を取り除く根本的な解決に繋がったか?と言われれば、考えなくてもわかりますよね。

 

元親友のほうは「マウンティングはくだらないこと」と自覚していたタイプなので、母ほど直接的な表現はないけど

「相手を不快にさせて楽しむ」「理由もなく不機嫌」とか、完全に「私を見下げてるからそんなことできるんだろうな」という態度が出てしまってたので(笑)

(ただ、指摘したら「私そんなだった?」ととぼけられるくらいの、ギリギリを突いてくる感じが、ある意味母よりたち悪い気も最近してきた)

なのでたとえ「親友」でも、私が「受け皿」にならないと共存する道はないなら、諦めるしか(親友の話、しつこくてすみません)

 

と言うか…母だけでなく、昔ながらの考えの人ってわりとこれで生きて来た人多そうじゃないですか?

だから、最終話でかおりが腹を立てた「誰が決めたのかもわからない " 普通 " 」から外れる人を貶す・見下げる傾向があるのでは?とも。

tari97.hatenablog.com

 

3話では兄からきつく当たられる場面で「みき」ならぬ「幹生」の苦悩も描かれていました(あの兄、毒親ならぬ「毒兄」だわ~)

あの兄にとっては「普通に暮らす」ということが、何よりもの武器なのでしょう。

「一般的ではない」(女性ものに興味を持つ弟)を「普通」「世間一般」論で、徹底的に攻撃します。

 

みきのような強さを持つことが大切なのでは、と感じさせられましたが、そうなるまでにはどれだけの苦労があったか。

今でこそみきは強気に過ごしていますが、自分が「普通じゃない」と、悩んだこともあったのではないだろうか。

 

実は私がこの記事で伏せたのはLGBTのことだったのです。

tari97.hatenablog.com

イムリーすぎて驚いたのですが。

 

途中、香住のデザイナーさん宅を訪問した時「母と娘」のシーンもありましたが

私の中で、少し余裕が出てきたのでしょうか?

今までは結構「母娘」シーンは穏やかに見られなかったのですが

今回はそこまで拒否反応は出ませんでした。

自分の中で「もっと奥深いところ」まで、考えたりできるようになった証拠かも知れません。

 

はじめは「志尊淳くんの女装どんなんかな」の軽いノリで録画してみただけだったのですが、良い意味で期待を裏切られました。

久しぶりに、次回が楽しみになるドラマでした。