母は周りの「けじめがない」ことに関しても昔からよく怒っていました。
一番大きいのは父の飲酒についてでしたが、娘に対してもよく「けじめをつけろ」と怒ってきました。
自分のことを「けじめのある人間だ」と母は思っていたようですが、よくよく考えたら『それはどうなのかな』と思うことがありました。
母が「夫にも許可をもらって、家を空ける時は必ずご飯作って行くから」と、堂々と不倫みたいなことをしていたことは前にも書きました。
これも母なりのけじめのつもりだったのでしょうが「夫がOK出したから」「ご飯だけは作っていくから」は母の勝手なルールなだけです。
世間から見てアウトなことでも、それで気分が軽くなるなら私はやめさせる必要はないとは思っていましたがSさんと別れてからは、そうやって外で異性と遊んでもイライラが解消できない母に嫌気がさし『大体、世間的に見たらお父さんほったらかしてそうやって外で遊ぶのだって見る人が見たら黙ってないからな』と嫌味半分で言ったことがあります。
図星だからかはわかりませんが、そうやって言われると「私はやること(⇦ 金の計算とごはん作りだけですけど)やってる!大きなお世話じゃ!」母お得意の「自分には甘い」でした。
そしてその数年後に私は家を出て、母は1人になった訳ですが、とにかくここからの母の暮らしがかなり「けじめがなかった」と私は思っています。
1人ではどうにもこうにも寂しさを埋められない母はずっと前にうちに婿に来させたいと思っていた職場のYと、食事に行ったりし始めます。
母はお金には余裕があるので、いつも会計は母持ち、だんだんとYも味を占めてあれもこれもと奢りを狙うようになります(私と同世代で、薄給だし多趣味で入り用が多い。大食いで食費がかさむからとにかくタダ飯が目当て)母は寂しさを埋めてもらえるのならその程度の出費もどうってことなかったのでしょう。
それは本人の勝手だし言及するつもりもありませんでしたが、私がされて嫌だったのが、その後Yが私の実家に「居候」のようになったことでした。
ある時「夕飯食べて行く?」から始まり、そのうちダラダラと私の実家にYが泊まるようになり、一時は完全にYが息子のように、私の実家で暮らしていたようです。
もちろん、親子ほどの年の差なので男女の関係はないし、母親の愛情に飢えていたYからすると、温かい手料理や家事をしてくれることが単純に嬉しかったのもわかります(言うて彼ももうアラサーですけど)
けれど、やはりそこは「ごちそうさまでした」と言って、自分の家に帰るのが私にとっては「けじめ」だと思っていたし母ならばそうさせると思っていました。
いくら何でもYがあそこまで堂々と居候をするとも、母がそれを許すとも思ってなかったですが、だんだん娘が気軽に実家に立ち寄るのも何だかな(急に行ってYが居ても、気まずい)みたいな状況にまでなり(時々、友達の車で実家の前を通ったら、一時期は当たり前みたいにずっとYの車が停まっていた)さすがにその件については『寂しさ埋められたら、何でもありなんかい』と、母を軽蔑しました。
たりだって出て行った身で、文句言えた立場か?と思う人もいるかもしれないけど、もう住むことはないにしても何かあれば私の実家はあそこしかない訳です。
元々、実家に愛着なんてないから、気持ち的に…とかそういう問題ではなくて、物理的な面でのけじめとして、守るべきものが、まだあったんじゃないかなぁと思うのです。
実家は、まだ何かあれば皆が集まらなければならない場所。
誰も上げるなとまでは言いませんが、もう少し「オフィシャル感」を残しておくべきではないか?と。
実家が、自分とは何の関係もない(正式に結婚するとか養子になるとかでもない)人の私物であふれ返っていたら…誰でもいい気はしませんよね?
娘が出て行って、寂しくて辛かったら、何でもありなんでしょうか。
母が「もう実家には来るな」くらい、娘にも強気で出ているなら結構ですよ。
むしろ「いつでも遊びに来てな」くらい言うくせに、言うこととやることめちゃくちゃじゃない?と思うのです。「いつでも」じゃないやん。
昔は友人を連れてくるだけでもピリピリしていたあの母が、平気でそんなことをするのも理解に苦しむのです。
母とYの名誉の為に一応言っておきますが、Yはその後部屋を借りて1人暮らしを始めたそうです。
未だにご飯を食べには来ているそうですが、できるだけ夜は帰るようにしているそうです。まぁもうどうでもいいけど。
母は多少、後ろめたい気持ちもあったのでしょう。
Yのことを話す時は聞いてもないのにやたらと「Yが来たがる」みたいに、自分を擁護するニュアンスでしたが(娘がいい気してないってのはさすがにわかったのかな)私からしたら、どっちもどっち。
目先のタダ飯にありつけるならいい歳して居候にまでなってしまう口の卑しいYも、寂しさを紛らわせるためなら、何でもありな母もどっちもけじめはないと感じますが、お読み頂いている方はどう感じるでしょうか。