もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

明日は我が身

9年浪人した末に母親を殺害した娘の記事を読みました。

こういう事件が起きると、自分もそうなっていたかも知れない…と考えさせられます。

母と暮らしていた頃にこういうのを見聞きすると『明日は我が身…』と身につまされる思いでした。

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うちは教育虐待はなかったし(まあこれは単に娘がどういう事を学び、どういう職に就きたいか?など、母は全く興味がなかっただけです。立派な大学に行って大きな企業にでも入ればそれこそ娘が自立して、手元から離れてしまう可能性が出てきますし)

この母親ほど過激なこと(スマホを壊すとか)はしませんでしたが、種類は違えど娘を親という権力で支配して服従させるところはうちの母と同じです。

 

印象に残った部分がいくつかあります。

 

母親が動かなくなってから、この娘はずっと見たかったドラマをゆっくり見たそう。

心底、ホッとしたのでしょうね…

私は今のマンションに移る前に小さなアパートに住んでいましたが、そこで一人で晩ご飯を作って食べた時『ああ…もう母の機嫌を取りながら食事しなくていいんだ…』と思うと涙が出そうでした。

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肩の荷が下りるって、こういうことを言うんだ…とわかった瞬間でした。

母親が息をしなくなった時、この娘も同じような感覚だったのかも知れません。

 

また、この母親も徹夜で叱責するとありました。

私の母もスイッチが入ると明日が仕事や学校だろうが、食事の途中だろうがお構いなしに2~3時間一方的にこんこんとキレていました。

24時までに終わればまだ良い方。夜中の2時3時まで怒鳴られることもありました。

毎回『あ~…今日は何時間コースやろ…』と意識をどこか遠くの方へやっていました。

『今日は日付変わらんかったな』姉とそう話すことも。

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事なかれ主義の父は不穏な空気になると「ほな父さんむこう行くで~」と、酒の入ったコップを持ち寝室へ逃げます。

明らかに行き過ぎた𠮟責を受ける娘らを助けることもなく…。

 

マッサージをして母親が眠りについた後に刺したともありました。

マッサージまでさせてたのか…またうちと同じ…何とも言えない気分になりました。

私の母もこちらの都合は無視で「マッサージしろ」と命令してきて『普通、子どもはやるものなのかな』と、素直に従っていたことも書きました。

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私だって学校行ってたいがいしんどいのに母にはいつも自分の方がしんどい!とマウントを取られ眠気で朦朧としながらマッサージをしていました。

この娘も自分の「そんなことやりたくない」という感情を必死で殺して、応じていたのかな…

 

もう、感情のコップが満タンになり、行為に及んだのでしょうがその時の気持ちを思うと涙が出そうです。

ここまできたらやるかやられるかの世界なんだろうなというコメントもありましたが、まさにその通りだと思います。

結局私は母を刺さずに済みましたが本気で殺意を持たれるなんて、実行に移さなくとも十分親失格です。

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けれども、彼女が法を犯したことに変わりはありません。

自分を守る手段がこれしかなかった、ある意味正当防衛のようなものだと思いますけどね…。

 

結局、おかしな人と一緒に居るとマトモな方ばかりがしんどい思いをするんです。

「気に入らないなら出ていけ」と言われる家庭もあるでしょう。

私も母にそういったことを何度も言われました。

母は「出て行けるものなら出てみろ。どうせ無理だろう」というニュアンスで言っていたことも私はわかっています。

だから、自分の意志で家を出ました。確かに、もう良い大人の私が自分で決めたことです。

それでも、何でマトモな方が家を出て苦しい生活をしないとならないのか。

いくら自分の意思であっても、私はまだそこが腑に落ちません。

 

彼女はこうも語っています。

" 拘置所はルールさえ守っていれば叱責を受けることはありません。"

これがどういうことを表すのか

支配的な毒親のもとで育った人にはその意味がわかると思います。

 

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「その程度のこと」とか思わないでほしい

自分にとっては何てことはないことでも、それがすごく嫌だとか苦手な人もいます。

もちろん、その逆も同じです。

 

人間には得手不得手があるので、できれば苦手と感じる人に無理強いさせてやらせなくても、得意な人がカバーできればいいなと私は昔から思って生きてきました。

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学校や職場ではそれはなかなか難しく、とくに日本にはまだまだ足並みを揃えて皆で同じことをやる文化が根強いですが、相手を尊重し、譲歩し合って生きられたらな、と思います。

 

うちでは母がまるで王様みたいにふんぞり返っていて「やれ」と言われれば拒否権もなく、私の「苦手」とか「やりたくない」とかいう気持ちもことごとく無視されてきました。

その反動か、今の私は「もう自分のやりたくないことは、今後絶対にやらない」という気持ちだけで生きているみたいな所があって

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確かにかなり生きやすくはなりましたが、まだまだ『え?こんなこと、しないとアカンの?何で?』というシーンに遭遇することもまた、多い訳です。

人よりもNGゾーンが広いから、仕方ないのでしょうが…

 

前にも少し書いた副業ですが、結局面接に行った時に雰囲気が思ったより良かった職場でお世話になることになり、先月から勤めています。

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とにかく簡単な雑務ばかりで、時給も本業の派遣の約3分の2。

正直この仕事を続けても何も得るものはないだろうなという感じですが、それでも今の私にはありがたいので、週2日のシフトで勤務しています。

事務員で雇われたものの、結構人との関わりが多くて『またこのパターンか』だったのですが

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もう選べる立場でもないし、何とか通っています。

 

しかし先日『こんな仕事があると先に言ってくれてたら応募しなかったのに』案件の嫌な事がありました。

施設の巡回みたいなのを関係者数名でやるのですが、専用の音楽を流しながら施設内を練り歩き←ここまではまだよしとして(嫌ですが)要所要所で担当者が立ち止まりマイクを使って決められた原稿を読み上げるというもの。

その日、いつもの担当者が別の集まりがあり出られないということで、急きょ代わりのスタッフがやって来たのですが「これは毎週あるのでもし○○さん(担当者)が来られない日は、アナウンスお願いしますね~。今日はたりさんは初めてなので私がやります」と。

彼女はマイクや原稿を準備しながら軽く言ってるけど、今、何て?と頭が真っ白に…

 

以前にも書いた通り、正式な診断こそ受けていませんが私には軽いSADの傾向がある自覚があり、とにかく「人前で話す」「自分に視線が集まる」ということが極端に苦手です(恐怖に近い)

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今の職場は、事務員での募集だったしようやく今で1ヶ月くらいですが、今頃になって急にその巡回のことを聞かされた上に、その巡回が何と週1の頻度であると言うのです。

 

なぜ、そんな大事なことを先に言ってくれないのか…

 

結局よくわからないまま準備を手伝い、その巡回が始まり…音楽を流すスピーカーを台車に乗せて運ぶのでそれを押してねと言われ、施設の中を台車を押しながら歩きましたが…

もう…自分が惨めすぎて本当に辛かったです。

親の言いなりになって、自分で自分の道を決めてこられなかったことの代償がこれほどまでに大きいのか、と…

誰もそこまで気にして見ていないと頭ではわかりますが、すれ違う人たちの視線が苦痛すぎて、ほんとに泣きそうでした。

接客業の経験もあるけれど、自分には合わないと思って早々に事務員へと転向したし、そもそも人前に出るのが好きなら初めから接客業選んでますからね。

 

やっと終わった…と思ったら「来週は月の最後の週なので、もう少し歩く距離が伸びます」と…(運悪く来週もシフトが入っている)

 

『そのアナウンスの係、私がもししないといけないなら辞めます』と言おうか

『私は参加したくありません』とハッキリ言おうか…

本気で悩みました。

 

元々、ダブルワーク希望でこちらがサブであること、メインの方の勤務日にはこちらは絶対に出られないこと、メインの方の勤務曜日は月によって変動することは了承の上で採用を頂いています。

考えた挙句『4月以降の出勤可能日からその曜日を外せばいいんだ!』と思いつきました。

こういう時のずる賢さはあの母に育てられた賜物かも知れません。

相手の出方をうかがい、単なるワガママに見えないよう、事は荒立てずに自分の傷も最小限に抑える

あの家では、そのように戦略的に生きなければなりませんでしたから…

 

それにしても、「担当者がいなかったら、たりさんお願いしますね」なんて簡単に言うあたり、一般的には「その程度のこと」なのだろうか…

 

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背中を見て覚える

以前、伝統工芸の職人さんを特集したテレビ番組をみていると、跡継ぎが減っているので、若い人にもどんどん来てもらいたいと、職人さんが話していました。

伝統技術って、体で覚えて「技を盗む」みたいなイメージが大きいですが、その職人さんは若者に手取り足取り教えている様子で、工房もすごくいい雰囲気で驚いたのを覚えています。

一番印象に残ったのは「背中を見て覚えろなんてのはもう古い。僕の時代はそうだったけどねぇ」「わからないことはきちんと教えてあげなきゃ」とにこやかに話していたこと。

 

「母さんの背中を見て覚えるんやで!」

母に昔よく言われたけど、これも大嫌いなセリフ。

男子のいない我が家では、姉が結婚して家を出ると母は私を家の跡継ぎ候補として扱いました。

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「アンタがしっかりせんとアカンで!」

母に言われたことは嫌々でもその通りにするのですが、ほめたり礼を言ったりも一切なく「できて当たり前」と言われ

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挙句の果てには「言われてからやっても、値打ちないで!」とまで。

まるで私が気の利かない、できない人間のように散々言われ、私はずっとそれを鵜呑みにしていました。

だから『もっと頑張らないと』と思って生きてきました。

お母さんって、どこもそういうものだと思っていたんです。

今思えば、宗教みたいなものです。

 

母に呼ばれて、あらたまって色々話をされるのも、大嫌いでした。

庭に出て「時々こうやって家の周りを点検しろ」とか「雨樋の傷みを見ろ」とか20歳前後だった私に言うんです。

庭や屋根、外構なんかを定期的に子どもが点検なんてしないといけないものなのでしょうか?

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料理中にも、機嫌の良い時は私を呼びつけ「これはな、こうやってこうするねんで」と母は1人で盛り上がっていました。

「料理を娘に教えてあげるお母さん」に酔っていたんでしょう。

食にも料理にも興味のない私には苦痛でしかありませんでした。

 

車もそうです。

『こういう車に乗りたい』とも一言も言ってないのに「大きな車にも乗れるようにならなあかんで」と勝手に2~3種、次に私に運転させる車種を候補に挙げたり。

車に興味がない以前に、私って本当に運転が嫌いだし車の運転なんて本当は極力やりたくなかったんだと気が付いたのも家を出て何年も経ってからです。

 

運転以外にも『こんなこと、本当はやりたくなかったんだ』と今さら気が付くことの多さに愕然とすることは、もう何度も書いてきました。

 

とにかくこちらの気持ちなんて全く確認せず、どんどんどんどん尻を叩かれるような感覚。

その度に『私がしっかりしないといけない』と『こんなことまで、私がしないといけないの?』との葛藤に、押しつぶされそうでした。

 

『そういうの、重い』『まだ、考えるには(年齢的に)早いと思う』と、正直に言ったこともあります。

『そういう時が来たら、ちゃんとやるから』とも、何度も言いました。別にそういうことを放棄する気はない、と。

(もちろん、今はもう家がどうなろうと知ったこっちゃないですよ。母が全く譲歩の姿勢を見せなかったので、母の期待していた役割は放棄したまで)

毎回、意見すると母はまるで私がワガママを言っているような言い回しで丸めこもうとします。

最終、お決まりのご飯と金で脅します。

 

「誰のおかげで飯食えてんだ」

たまにドラマとかで見聞きするこういうセリフ。

こんなこと言う人って最低!と思ってたけど、何てことはない私の母も十分同類でした。

「誰のおかげでこの家住めてると思てるんや」これは明確に母に何度も言われましたしね。

 

母はいつも「たりをしっかり者に育てるため」「将来たりが困らないように」みたいなニュアンスでしたが、それを免罪符に自分のやりたくないこと・面倒なことを娘に押し付けていただけ。

 

私の意見も聞かずに私の未来を「こっちのほうが幸せになれる」と決めようとしたこと、それに反発する私を否定し続けたこと。

私は絶対に許せないし、ハッキリ『母さんのそういうところが傲慢や』と伝えたこともあります。

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けれど、母の口からは謝罪の言葉はなく「母さんはな、田舎で育ったからそれが当たり前やと思っててんよ!」と。

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少なからず嫌な気持ちにさせた相手を目の前にしても「ごめんね」より先に自分の肯定と言い訳。

悪びれる様子もなく笑いながらそう言われた時に、私の中の何かがまたひとつ、プツンと切れたような気がしました。

 

そんな母の背中を見て学んだことなんて、ほとんどないです。

大した知識も知恵もないくせに、何が「背中を見て覚えろ」だよと思います。

 

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