もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

食卓は母がわめき散らすための舞台ではない

昔、食事の時間に怒り狂うというのをたまにやっていた母。

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うちでは、食事マナーを厳しく言われることはありませんでした。と言うのも、母自身マナーが身についていないからです。

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なので大体母が怒る原因は「母の不機嫌」で、その不機嫌の元を辿ると、大半が「職場で腹の立つことがあったから」でした。

「ただいま」と言う声色と、顔つきで母の機嫌の悪い日はすぐにわかりました。

 

けれど、不機嫌そうじゃなかったのに、地雷を踏んでしまう時も多々ありました。

 

食事の時にはテレビがついていましたが、母の見たいもの優先でした。

私と姉は歌番組が好きでしたが、母が「嫌」と一言言えば却下でした。

ある日、人気曲ランキングを下位から発表していく特番があって、姉とその番組を見ていました。

途中で呼ばれたので食卓に行って、母が見たい番組がないか確認し『じゃあ、歌番組見ていい?』と了承も得て、続きを見ることにしました。

 

私と姉が好きな曲は当時上位にいた人気アーティストのものだったので、食事中に『もうすぐかな?』『1位かもな』等、何度か言葉を交わしただけでしたが、おそらくその日、母は虫の居所が悪かったのでしょうね。

 

「アンタらなぁ!さっきからその歌番組の話ばっかり…大体ビデオ録っとんやろが!録っとんやったら消せ!」と、急にキレ出し、テレビのスイッチを切られました。

(ちなみに、怒られるのをわかっているので、私たちはテレビに夢中になり手が止まるとかは絶対にないです)

 

他に覚えているのは、ある日母が「お腹減ってないから、今ご飯いらんわ」と言ったので、母の分のお箸だけ準備しなかったんです。

もちろん、悪気はありませんでした。

けど、皆が食べ始めるとやっぱり食べるわと言い出して、席に着くなり

「何で母さんの箸が出てないんじゃ!」

と、わめき出しました。

『ごめんごめん、後でいいって言うから出してなかった。出すわ』と私が取りに行きましたが、時すでに遅し(私の席が箸の置いている場所には一番遠かったんですけど)

 

こういう流れで、その後はお決まりの「母さんは(料理をするためだけの)女中やないぞ!」が始まります。

メニューを考えて財布と相談して買い物する大変さと、スーパーの買い物袋が重い話、雨の日の買い物の大変さの話、事あるごとに持ち出され

「(こんなに苦労してるのに、ご飯が出てくるのが)当たり前みたいな顔して座って!」とかも、よく言われました。

当たり前だなんて全く思っていないし、姉も私も常々感謝の意は言葉にして述べてもいました(最低限の食事を与えることは親としては「当たり前」なんでそこまで恩を着せられることでもないんですけどね)

 

母には、意図してない手伝いをすると怒られるので、キッチン内に呼ばれるとき以外はお茶碗やお箸を出したりくらいしか手伝いはしなかったけど、呼ばれたらすぐに食卓に行き、今日のこのメニューには、この調味料がいるな…とか、できることはしていました。

 

それでもそうやって定期的にわめくので、一体私たちはどうすれば良かったんでしょう。

 

テレビに夢中でごはんの手が止まるとか、好き嫌いや、まずい!いらない!とワガママを言ったとか、自分にも『反省しないと』と思うくらいのことがあったら整理もつくんですけど。

 

食卓という場を使ってわめき散らす毒親って理由は違えど結構いるみたいで

なんか、今思うと

家族が一番って言ってもいいくらい楽しみにしている「食事」の場で、それをやるって卑怯というか何というか。

 

皆が集まるのをいいことに、偉そうにわめき散らしてたんじゃないの?とか思うときがあります。

 

怒るならば、食べ終えてからでもいいじゃないんですか。

食べてる途中に、自分の感情もコントロールできずにわめき散らして、みっともないことこの上ない。

 

夕方、住宅街を歩いているとおいしそうなごはんのにおいがしてきますよね。

昔、よそのおうちの明かりを見ながら『この家もうちみたいに、食事中にお母さんがキレるのだろうか?』と、いつも思いながら帰っていました。

ドラマには、うちみたいな訳のわからないとこでキレるお母さんなんていないし、他人の家の食卓がどんな感じなのか、すごくすごく気になっていたことを、今回思い出しました。