もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

掘り下げてみたら案外単純な話だったんじゃないかな

前の記事の最後からの続きです。

tari97.hatenablog.com

 

思い描いた未来とは180度違った老後を過ごすことになって、母なりにこの数年「何が間違えていたのか?」色々と考え 

私に『母さんは傲慢や』と言われたことがどうしても腑に落ちず、ずっとその意味を考えてきたらしいです。

 

そもそも、私は母の生き方も私の生き方も、どちらも間違いでもないし、どちらが正解でもないと何度も言いました。ただ『合わない』だけだと。

 

しかし母は、私が苦痛にしか感じない独裁的なやり方と、老いては子に従うと言いながら退く気配もなくいつまでも自分が中心で偉そうで

それが「正しい」、合わせられないたりが「間違いだ」と言い放ち

そこを絶対に譲ることはありませんでした。

それが私にしたら「傲慢」だったわけです。

 

『いつまでもそんな母さんを見てて、いつか母さんが温厚になる!子に従う!なんて言われて、ふーん、そうか。ならそれまで我慢してみようか!なんて思うと思う?』という話をしました。

tari97.hatenablog.com

 

要はこの記事の内容をそっくりそのまま母に伝えたって感じです。

(ちなみに姉もいましたが、同じことを言っていました。『あんなに威勢のいい母さんが、娘の言うこと素直に聞くようになるなんて、思うと思う?オオカミ少年と同じやで』と)

 

すると、母は本当にそうする(ある一定の時から、ピシーッと「老いては子に従え」をやる)つもりだったらしいです。

『はいはい、嘘だろw』と思いましたが

母から話を聞いていたら、そういうことは田舎ではよくある話で

いわば子どもが「家を継ぐ」ということをすると

(財産等も全て明け渡すかわりに、決定権等もなくなる)

偉そうな爺さん婆さんが大人しくなるのは、本当の話で

母も嘘はついていない様子でした。(このことはまた詳しく書きます)

母は田舎の農家の生まれでしたから、本当にそれが世間での常識だと信じて疑わなかったそうです。

 

私は返しました。

『そんなん、私はそんな田舎で育ってないからしきたりなんかわかる訳ないやん。それやったら母さんもあんなに一方的にゴリ押しするんじゃなくて、ちゃんと説明すれば良かったのに』

 

すると「田舎ではそんなことをいちいち、これはね、こうするのだよ。なんて教えない。教える側の者(うちで言う母)が手本を見せて、継ぐ方(私)は背中を見て覚えるんや」

らしいです。

もしかしたら、田舎で暮らしていて経験のある方が読めば「たりはそんなことも知らないのかー」と、思うかも知れませんね。

でも、私にはそんなことわかる訳がないし、元々何の知識もないことを訳のわからんまま詰め込まれたって、納得できる訳がないでしょう。

それを「話のわからん奴だ」「できない奴だ」なんて、いくら娘でも言われる筋合いありません。

 

母が田舎育ちで当たり前に目にしてきた親子の関係が、それが「当たり前だと信じて、疑わなかった」と言われればそれはもうその部分においては『仕方ないな』と思うしかありません。

 

これを例え話にして考えてみました。

例えば、日本人が『ご飯はお箸で食べる』と、当たり前に思っているのと同じで

母にとっては娘にそうやって家を継がせる為には傲慢な態度で取り仕切ることが

「ご飯はお箸で食べる」と同じくらいの「当たり前」だったという訳。

しかし、娘は反発し家まで出て行ってしまって

母にとって私は「ご飯を手で食べる」くらい、理解に苦しむ娘だったのでしょう。

たったそれだけのことだったのです。

 

けれども、じゃあ「ご飯を手で食べる」ことが、全世界で全くの間違いか?と考えれば

よその国には、ご飯を手で食べる人種だってあります。

「そういうことをする人種もある」ことすら知らなければ

「ご飯はお箸で食べる」のを常識と思っている人が目の当たりにした時驚くのは当たり前で

要はその先なんだと思います。

 

ん?もしかして「ご飯はお箸で食べる」って当たり前に思ってたけど、そうじゃない人もいるのかもしれない!と、少しでもそういう心が持てれば分かり合える道が開けていたかもとも、思うのです。

 

母は自分の田舎での風習を信じすぎたあまり「ご飯はお箸で食べるもの!ご飯を手で食べるなんて最低。間違い。何で箸を使えないの?」という見方しかできなかったから

言われた方も『そこまで言うなら一緒には、過ごせないよね』という選択をしたまで。

もちろん、箸で食べる努力(=母に合わせる努力)もしましたがね。

 

「私は、お箸でご飯を食べるけど、何で手で食べるの?」と、相手を知ろうともしないわ(=私に、なぜ反発するのか、反発することを怒るのではなく理由を聞いてほしかった)

「私はこういう理由があって、お箸で食べるの」(=自分はそうやって育ってきたから、たりに今そうしている。田舎育ちの考えはこうなのときちんと説明をする)

そんなに難しいことでもないと思いますが、脳みそ筋肉のガチガチの決めつけ思考の母に…できる訳ないか。

掘り下げてみたらこんなに単純な話だったみたい。あほらし。

 

 

お箸で食べたって、手で食べたってどちらが正解でも間違いでもなければ

どちらが良いでも悪いでもない。

たったほんの少し「そういう考えもあるんだね」という、視野を大きく広げる知恵が母にもあればこんなことにはならなかったんじゃないかなと思うのです。

 

今回のことで、少し母の考えていたことがわかって、良かったです。

 

やっぱり、母の視野の狭さと、表現方法の乏しさに関しては、ちょっと頭弱いなと思わざるを得ませんが

 

ちなみに、田舎の代々続く風習については、私も目から鱗だったから

田舎育ちの毒親を持っている人には参考になるかもしれないので、また書こうと思います。

 

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