母は、世間体をいつも気にしていましたが、それは単なる「母基準」なだけで完全に「井の中の蛙」状態でしたが、自分は立派!と本気で思っていたのでしょう。
差別的な表現や、相手を貶すようなことも平気で言っていましたが、とかく金銭的なことに関してはすぐに張り合い、お金のない人を見下していた感があります。
周りの人がどういう暮らしをしているかを見て、それに張り合ったりこき下ろしたりすることが、ある種母の趣味のようなものだったのでは、とは前にも書きましたが
職場や町内でも、どういう旦那さんまたは奥さんがいて、どんな家に住んで、どんな車に乗っているか等を常に気にしていました。
そして、どんぐりの背比べ(張り合う相手が同じ職場や町内の人 笑)なのに、少しでも自分よりお金に苦しんでいると見たら小馬鹿にするような言動がみられました。
母の勤めていた職場に、女の子を育てているママ「モチダさん」という人がいました。
彼女はわりと残業もして頑張って稼いでいましたが、結構自分の身なりにお金をかける人でした。
ある日その人がお値段安めの軽自動車に乗り替えてきたのです。
母は職場で誰かが車を替えたとなると駐車場にわざわざ行って車を眺めたり、グレードを本人に聞いたりします。
時には、終業後に本人に鉢合わせるように、周辺をウロついたりまでしていました。
「モチダさん、車買い替えてたな!」
「めっちゃグレード低い〇〇(車種)やんか!」
また始まった。
グレードが低いことを、ここぞとばかりに貶しながら私に話します。
そこまではまだわかるとして、私が引いたのがそこからです。
「モチダさんに言うたってん!金、なかったんか?て(お金なかったから、こんなに低いグレードなの?という意味)」
…普通、職場の人にそんなこと言います?
私の中では、考えられないんですけど
陰口で言うなら百歩譲ってわかるとして、新車乗ってきた本人に開口一番『ずいぶんとグレード低いけど金なかったの?』なんて、私は友達相手にでもさすがに言えないです。
大体、人はそれぞれお金をかけたい部分が違う訳です。
モチダさんは、美容にはきっとお金かけているのだろうなというのは見てとれましたから、車はグレード低めでも良かったのでしょう。
そういう「自分は自分、他人は他人」の線引きができないで、いつも「自分基準」。
そこにあてはまらないと、叩いて見下して。
それにそうやって母が偉そうに言う相手はいつも職場の人か、町内の人。
みんなある意味同じフィールドにいるのだから、ハッキリ言って偉そうにできる相手ではないですからね。
本当、恥ずかしいです。
お金に執着のある人って結構こういうところあるような気がします。
私の友人にもいました。
お金に執着のあるなしはその人の勝手だけど、同じ場所にいる人たちに張り合うのはすごくみっともないと思う…私はね。
まぁ、その人のアイデンティティが「生活に困ってない」ということなのかな。
母はたかだかあの程度の暮らしで本気で「たりはお嬢様やろ」とか言うので笑えないんですよね。
そりゃね、私の校区内だけで言ったらまだ家も新しい方だったけど、他県の人も知るような、この界隈で一番のお金持ちのおうちってそれはもう本当に想像を絶する生活してますから…(私は不動産屋で勤めているので、一度超高級マンションの管理費を見て目玉が飛び出るかと思いました)
母はこういうことを、なんにも知らないのです。
だから、ただの関西の僻地の一軒家に暮らしているしがないサラリーマン家庭でもあれだけ偉そうにできたんだろうなって思います。
まぁでも、母レベルの井の中の蛙は大海を知らないままいたほうが、幸せなのかも知れませんね。
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