もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

過ぎたるは猶及ばざるが如し

20代前半の頃、私の働いていたお店に母が仕事帰りに寄った時に「今から買い物するけど、今晩何食べたい?」と母に聞かれ、そばで聞いていた同僚に「お母さん、いつもそんなこと聞いてくれるの?」と驚かれたことがあります。

うちでは普通の光景だったので、そんなに驚くことか?と逆に驚いたのですが。

では夕食はリクエスト通りになってたか?かというと、別にそんなこともありませんでした。

 

「今日はいい魚が売ってたから」などで全く違うメニューになることがほとんどで、これは旬や仕入れのこともあるからまだわかるとして、リクエストしても母が食べたい気分じゃなかったり、嫌いなものなら却下されるし

『1回あれ食べてみたい』と新メニューの提案をしても、新しいこと・知らないことに挑戦するのをとにかく嫌がる母なので「じゃあそれ作ってみようか!」とも、大体なりませんでした。

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母は昔から「仕事中も献立のことしか考えてない」と堂々と言っていて、私も『毎日の献立を考えるの大変だろうなぁ』『節約もして、手の込んだ料理を作るすごいお母さんだなぁ』と、すっかり洗脳され、信じ込んでいました。

 

けれど今思えば確かに母は確かに倹約家(悪く言えばドケチ)ではあったものの

料理についても節約をできていたか?という部分と

様々なしばりの中で献立を考えて大変!なアピールが果たして本当にそうだったか?という部分については疑問が残ります。

 

母はよく「献立考えるのがいかに大変か!」と怒っていたけど

献立というのは、予算やみんなの好き嫌い、無駄をなくすなど色んな制限があるから悩むのであって、母がそこまでの制限内で料理をしていたか?と考えたら…別にそんなことなかったと思うからです。

 

あれだけ「節約!」言う割には「おいしそうだったから」と惣菜やパンを山ほど買ってきたり(食べきれず最後父が処理)決まったスーパー以外使いたがらないから、安いスーパーも利用してなかったし。

お土産など、出先のノリで買ったものの食べずに処分することも多々

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食材を腐らせていることも結構ありました(異様に冷凍保存を嫌がり冷蔵を過信し、腐らせる)

今、無駄なものを買い食いはしない、食材を腐らせることもほぼない私からすると母の食への金遣いはかなり荒かったと感じます(あんなに良い肉とか買ってたら、そりゃ美味しいよな…って思う)

家族みんな母の料理に口出しはしなかったし、やってることはワンパターン(料理好きと言う割にはレシピを見て新しいメニューに挑戦するとかはほぼない←これはレシピ通りに落ち着いて料理ができないのもあると思う)

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自分の嫌いなものは家族がリクエストしても絶対に作らないし(「あんなん(あんなの)、おいしくないで!」と決めつけ、洗脳される)

その割にうまい手の抜き方をわからないから定期的にキレて喚き散らします。

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これで「よくできている」と評価するにはどうかな?というのが私の今の正直な感想です。

 

途中から『何食べたい?って聞いたって、どうせ買い物行った感じと自分の気分で決めるやん…』と思い『何でもええで』と答えていました。

それってある意味『お母さんがキレずに、ニコニコしてくれてたら出前でも買ってきたお惣菜でも何でもいいよ』だったんですけどね。

 

ある料理家曰く「義務感でいやいや作ったら、料理はおいしくできない」そうです。

私は誰かに食事を作るしんどさを知らないので偉そうなことは言えませんが、リクエスト通りにならないのも百も承知でしたし、献立についてワガママを言ったこともありません。

確かに母の作るご飯の「味」は美味しかったのでお腹を満たしてくれた、物理的なことに対して感謝はしていますが、食に関する悪い思い出が多すぎて、別に母の手料理をもう一度食べたいとは思いません。

母もいやいや作っている訳ではなかったとは思いますが、料理って食べる時の雰囲気も含めておいしく感じるものだと思うので…

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結局これも母のあるあるで、せっかくの自分の功績(料理がおいしい)を自らの表現方法のまずさでぶち壊して、価値を下げてしまっている良い例です。

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食事のことであんなに深夜まで怒鳴られ泣かされるくらいなら、たまには手抜き料理でもいいから、笑って食べる方が良かったというのが一番の本音。

 

過ぎたるは猶及ばざるが如し

特に母の料理に対する姿勢にぴったりなことわざです。