もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

2020年下半期を迎えて

実は、去年から2020年の目標として「マンションを売却して引っ越す」というものを掲げていました。

ここは元々親から逃げる為の住み家だっただけであり、長く住むつもりはなく

何年か経って、自分の生き方や働き方が見つかれば出て行こうと決めていました。

ならばすぐに動ける賃貸が良かったけど、毎月の収入が保てるかもわからない私が

割高な家賃を支払う自信がなかったので、古びたマンションに35年ものローンを掛け住むことにしたのでした。

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母と離れて、自分は本当はこう生きたくて、これが嫌だったんだとわかってくると仕事のやり方も変わってきて

それに伴い年々ここでの生活が合わなくなっていることも感じていました。

 

とにかく交通の便が微妙すぎて、交通費と時間がかかり過ぎることがネックで

元々派遣社員を選んで働いている自分には交通費というのがすごく痛い出費だし

越して来た時から7年も経てば体力だって衰えてきて正直通勤がしんどくなってきています。

派遣の仕事はマッチした案件がある度にお知らせが来る設定にしていますが

どれもこれも通勤に時間がかかるせいで諦めざるを得ないこともしばしば。

ただでさえ歳も取ってきて選択肢が狭まるのに、ここに住んでいるせいで

そのチャンスさえも掴める可能性が下がることにもずっと不安を感じています。

だんだんと、高額な交通費を自腹で支払うことを考えると駅近のマンションにも

十分住めるなぁと思って、計算もここ数年ずーっとやっています。

 

それで去年「来年、マンションを売って自分の昔から住みたかった場所に移住する!」という目標を掲げました。

そこから貯金も頑張ってきたし、ちょこちょこ副業なんかもしたりして

去年の暮れに不動産屋にお願いして広告掲載もしていました。

こんなボロマンション資産価値なんてないに等しいのはわかっているので

早くても売却に7~8ヶ月はかかるだろうと思っていて

たまに内覧なども来ましたが話が進むこともないまま2020年春を迎えました。

ほどなくしてコロナが流行し、自身の収入も激減し、4月くらいから『こりゃ、今年は引っ越しは無理だな』と思っていました。

思えばそのあたりで広告を取り下げていたら良かったのですが、売れるのならば売りたいという気持ちもあったので

そのままにしているとまた先日1組内覧に来て、値下げした額で購入したいと言われてしまったのです。

 

貯蓄も目減りしている中、正直今このタイミングは…と思って姉や母にも相談をして

値下げが条件ならば売るのを辞めることにし、担当営業にもそう伝えました。

昔私は不動産事務をやっていて、不動産営業の人には気の強い人が多いこともわかっていたので

丁重に、正直に理由も述べましたが、あれやこれやと案を出しては値下げした額で契約させようとします。

気持ちもよくわかります。そりゃ、契約取りたいですもんね。

けれどこちらも、ない袖は振れません。

それこそ実家に帰るとか、彼氏の家で同棲するとか受け入れ先があるならともかく

行き先がなく、またゼロからのスタートである私の引っ越しにおいては先立つものがないとどうしようもありません。

正直にローンの残債と諸費用を販売代金から引いて、手元に残るお金が今その額じゃ辛い

値下げなしで売れるにしても、コロナのことで私も迷いが出ているくらいだから…と言うと

その営業が私にとって一番言わないで欲しかったなぁという言葉を一言放ちました。

 

「もし次の住む所が決まらなかったら、ご実家に行かれてはどうですか?」

 

もちろん、私が毒親育ちで母を嫌っていることなどわかる訳がないです。

普通の人なら近くに親がいると知っていたら、言ってもおかしくない言葉です。

けれどその瞬間に『例え私の希望価格であっても、この営業にお世話になるのちょっと考えてしまうな』とさーっと気持ちが冷めました。

と言うのも

最初にうちに来てもらった時に正直にこの家を買った経緯(早急に実家を出る必要があったこと)と

実家はそばにあるが、そこに帰る選択肢は絶対にないということだけはきっちり伝えていたからです。

毒親だったから、とは言っていませんが。

まぁ確かに自分の契約さえ取れりゃ人の事情なんて知ったこっちゃないんでしょうけどね。

 

たかだかこんなことで気持ちが折れてしまったことも

たった数十万の値引きを承諾もできないくらいひっ迫した経済状況なのも

啖呵を切って『なら売りますよ!』とも言えない自分の甲斐性のなさも

戻りたいと思うような実家がないことも

全部、情けなくて涙が出ます。

 

せっかく親から逃げて心穏やかに暮らして、自分の生き方も見えて来て

ずっと自分にとってコンプレックスである「仕事」において

少しでもチャンスを広げ、色んなリスクを減らして生きて行きたいなと思っても

親から逃げるために買ったマンションが足かせになり

当分は大嫌いなこの地を動くこともできなさそうです。

 

一体、何の為、誰の為の人生なんだろうか。

 

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