もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

何も生まなかったもの

自分自身がACであり、家族の中での役割は「ピエロ」タイプだったのだろうなということは何度か書いてきています。

tari97.hatenablog.com

母はきょうだい格差をつけられ育ったことを反面教師に、絶対に姉妹格差をつけることはしないと誓い子育てをしました。確かに格差はなく姉妹仲良くは育ったものの、お互いが違うタイプのACになったね、というオチの私たち(良いんだか悪いんだか)

姉は「ヒーロー」タイプです。

 

私は学校でもリーダーとかまとめ役とか苦手で影の薄い存在でしたが、ひとたび打ち解けた友人にはおどけて見せたり、冗談を言ったり何となく心のどこかに『みんなを笑わせねば』みたいなのがずっとありました。

クラスで前に出てチョケたりとかそういうのはなく、あくまでも「打ち解けた人にのみ」ですが。

彼氏とその友達で話した時も、笑いを取るために結構下品な下ネタを言って『ウケたな』って思ってたら後で彼氏に「やりすぎや」と怒られたこともあります。

 

とにかく『自分が汚れ役になってでも笑かさなあかん、盛り上げなあかん』という気持ちが未だに抜けなくて(芸人か)見た目や性格をほめられるより「おもろいな」と言われる方がうれしいのは関西人の血なのか、ピエロの名残なのか…w

 

家でやっていた数々のおどけた言動はまさに母のご機嫌を保つため。

母には「たり、あの話面白かったからもう1回してよ」とかよく言われました。母からのこういうリクエストはたとえ気が乗らなくても『よっしゃ!みんなよう聞いてや!』みたいに幼い頃から応えていました。母は笑いのツボが幼稚なので父も姉も「もうその話いいって…」と思っても黙って聞いて、母だけが大ウケしていました。

家族3人とも母が機嫌良かったら、もう何でもいいわ状態。

 

だから今でも場がシ~ンとしたら、何か言わな!と思ったりもします。

『いやいや、自分が話したくなかったらほっといたらええねん』とひと呼吸置いて(内心『感じ悪いと思われてるやろか』とドキドキしながら)無理して場を取り繕うための話をしない訓練をしています。

これは自虐で笑いを取ったり他人の機嫌を保ってきた私の大きな課題です。

 

私にはもうかれこれ16年ほど好きな「推し」がいますが、最近彼が「自虐キャラ」で売っているみたいなとこがあって、見るに堪えないんです。

16年も好きだと、性格とか人となりとかを大体知っているからこそ、笑いを取るための「ビジネス自虐」とわかるのですが…何かね…へらへらしながら「俺なんて…」と自虐する姿を見てると、悲しくなります。

 

確かに彼は目立つタイプではないですが、その彼自身が「僕はセンターに立つタイプじゃないけど、自分を好きでいてくれる人には僕がセンターであり、僕が1番なんだから、目立つ存在じゃないのも気にしない」というようなことを昔言っていて、まさにそれ!って思ったんです。

もうファンやめようかな…って思ったことも何度もあったけど、その言葉を思い出して持ち直したことも何回もあるんです。

そういうポジションであることも含め自分の存在に誇りを持って語っていると思ってたのに、自虐して笑いを取っているところを見ると、すごく残念な気持ちになります。

 

多分本人はそこまで本気で自分を卑下していないだろうし「軽い謙遜」のつもりなんでしょうけど口下手なのですごく卑屈に聞こえる時があるんですよね。

 

彼は見るからに良いご家庭に育った感じで、私みたいに自己肯定感低くオドオドした暮らしはしてきていないのだろうなと思います。彼が10代の頃から見ていますから、健全に、大切に育てられて培われたであろう独特の自信が彼を好きな理由だったんですよね。結構大変なこともしれっとやってのける、肝が据わってるとことか私にないものをたくさん持っていたから輝いて見えたのに、ここへ来て卑屈に聞こえる自虐を始めちゃって本当に残念。

 

それに、やっぱり必要以上に謙遜し過ぎてる人を見るのは単純に気持ちの良いものではないですね。かつての私も無意識で行き過ぎた謙遜からの自虐をしていましたが、気持ちよく思わない人もいたかもしれません。

まさか推しから自虐を客観的に見た時の気持ちを教わるとは。

 

笑いを取るのが生業の芸人さんならともかく、行き過ぎた謙遜とか自虐って何も生まないんじゃないかな。

私自身『自虐して笑い取ってきてよかった』なんて、今考えたら全くそんなの思わないからです。

悪いやつにつかまればモラハラの格好の餌食ですし。これは心当たりがあるので、また書きたいと思います。

 

スターありがとうございます。