もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

脅されて育った者

ニュースで見る虐待事件、子どもが乳幼児ならともかく、歩いたり話せる年頃なら周りに助けを求められなかったの?と、昔は私も思っていました。

しかし、そういうことができない子ども側の気持ちが今はよくわかります。

 

子どもにとって周りに助けを求めることは親への裏切り行為とも感じ、それで親に嫌われたら食べ物や住処を失う=命が危機にさらされることに等しいと本能的に思うのだと思います。

今となればもっと周りを頼ればよかったとも思いますが、子どもは生きて行くために親を正当化し、悪いのは自分…と納得させるしかありません。

 

うちでは暴力や住環境を整えない等はなかったけど『そんなこと、子ども相手にやること(言うこと)か?』というようなことを母は毎日して(言って)いました。

 

とにかく母の子育ては、子どもを脅して服従させるという印象でした。

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前にも少し書きましたが、私の心に深く刻み込まれていることがあります。

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姉が学校の準備など手伝ってくれていて(今思えば母にそういう準備をしてもらった記憶ほぼなし。全て姉に丸投げでした)ある日、明日の準備のことで姉と言い合いになりました。私が小1の頃です。

自分のペースを乱されるのが嫌な私が、色々とアドバイスをくれる姉に反抗して、少し乱暴に教科書を置いたんです。すると「まだ1人で準備できんから言ってるのに!」と姉も怒って、私たちの声を聞いた両親が私の部屋にやって来ました。

 

姉『たりが教科書投げた!』

私『投げてない!置いただけやん!』

 

言い分を主張していると父が「まあ学校嫌やろけどな、たりちゃん頑張り。姉ちゃんもたりちゃんのために教えてくれてるんやで」と励ましてくれましたが、母は一旦1階に降りて「父さん!ゴミ袋どこや!」と大声で父にたずねます(余談ですが母は料理とお金の計算以外の家事を全くやっていなかったので、もちろんゴミの日に各部屋のゴミを回収するのも1度もやったことがなく、袋の管理も父任せだったということです)何で?と父が聞いても「ええから!」と母が強く言い、父がゴミ袋を渡すと母はものすごい勢いで階段を上り、もう1度私の部屋に入って来て鬼の形相で私のランドセルや教科書をゴミ袋にぶち込み始めました。

 

泣きながら『やめて!』と私が言うと「教科書投げたんやろ!こんなもん捨ててまえ!次のゴミの日に出したる!もう学校も行かんでええ!」と。さすがに父が母をなだめ、本当に捨てられることはなかったけど…これが小学校入学間もない子にやることでしょうか。

 

単なる小学生の姉妹の小競り合いに、なぜ関係ない母がそこまでカッとならないと気が済まないのか…

まあ「お前らは恵まれた環境なのにくだらんこと言いやがって!」と腹が立ったのでしょう。いつものことです。

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母のその「贅沢言いやがって」「甘ったれやがって」の嫉妬と怒りの導火線に火がつくと、気が狂ったみたいにそういうことをします(「母さん、出て行くから!」とか「もうご飯もお弁当も明日から無しや!」とかもあった)

共通することは必ず子どもを脅すのです。

 

確かに母が実行に移すことはなかったけど、母は普段から事あるごとに「母さんは、やるって言ったらほんまにやる人間やからな!」と言ってたし(ヤ○ザかよ)さっきみたいな行動の後もごめんね、言いすぎたねとか何で怒られたかわかる?とかのフォローどころか「母さんのことナメとったらこないなるんじゃ!よう覚えとけ!」と言わんばかりの勝ち誇った顔をしていました。

 

良い時代に生まれて、ぬくぬくと暮らしているように目に映る我が子が憎らしくて仕方なかったのでしょう。

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母はその気持ちを生活に不自由させていないことを免罪符に全部子どもにぶつけ、自分のネガティブな感情のはけ口に私たちを利用した訳です。

 

大人になってから何であんな酷いこと言ったのかと母に聞くと必ず「子どもを大事に思ってなかったらあそこまで母さん頑張って働いてない!」と言います。

ならば言わせてもらうけど本当に大事に思っていたら子どもにあんな酷いこと言ったりしたりしないと思うよ…

 

そうやって植え付けられた恐怖は、親以外の大人も信じられないという弊害を生みます。

少なくとも私はそうでした。

被虐待児が声を上げられないのはこれもあるのではないかな。

 

私は確かに口の立つ生意気な子ではあったでしょうが、泣いたりわめいたり駄々をこねたりなどはしない、聞き分けの良い子でした。

それはある種大人に期待するのをやめたということでもありました。

 

確かに身体的な暴力はありませんでしたが、周りに助けを求めない・求められない子どもの気持ちも、今となればわかる訳です。

 

スター・コメントありがとうございます。