これまでの毒親関係の番組の中では違和感なく見れた気がしました。が、同時に「これが毒親との決別後の理想ですよ」みたいに感じてしまう毒親育ちの方もいるかもしれないなぁとも感じました。
以下、私の感じたことです。
まず信田さんはしきりに " I(アイ)メッセージ " のお話をされていました。これは私も再三ブログに書いていることで、今もなお意識して取り組んでいるものです。特に親の顔色を窺いビクビク過ごしてきた場合これを身につけることができない環境だった方は多いと思います。
" 母親研究 " も、私が意識していることの1つです。
私は高橋リエさんのメルマガをきっかけに『母がああいう人間になったのはこういう時代背景があったからなんだ』というのを知り、落としどころを見つけたことも前に書きました。
何度も書きますが、これは「そういう時代や環境なら毒親になっても仕方ないね」と母を許すことではありません。
しかし、頭おかしいんじゃないかと感じる親がいる方にはこの作業は有効じゃないかなと思っています。
実際に親と距離を置いた人のその後も紹介されていました。
年を取った母と同居を再開した娘は、ルールを作りほどよい距離感で暮らしているそう。
とりあえず今回のは「かなり稀なケース」かと思います。
と言うのも、この親は自分のことを「アホだったんです」と言っていたけど、自分のどういう考えが娘に影響を与え病気や引きこもりにさせてしまったか、自分のよくなかった部分はどこか。毒親の一番できない、自分自身を客観視した上での「アホだった」発言でした。
うちの母の思い通りの未来にならなかったからヤケになって「過去の自分がアホみたい!」と言っているニュアンスではなさそうだったから、私の母と比べて元々の頭の構造がマトモだな、と感じたんです。
しかしこんな風に " 気付く " 毒親は、かなり稀な例だと思います。
まあ、実際のあたおか系の毒親なんて地上波に乗せて放送できないレベルですからねw
毒親育ちでない人が見たら「なんだ…結局仲直りできる程度の親子喧嘩か」みたいに思われそうですね。娘側からすると何回もの諦めの上ここまで来ているんだけど…
仲直りと分かり合えるは同義ではないとも番組内で言われていて、これはとても良い言葉だと思いました。
親を毒親と認めても親を●す訳にも行かない、明日ぱたっと●ぬ訳でもない。
だからこそ、自分のテリトリーは守り毒親と共存している人だってたくさんいます(私もそうです)
今回はその一例であって、さらに同居の上にそれが成り立っているレアケースだと思います。
このように折り合いをつけて何とか暮らすのも、何が何でも断絶するのも、完全和解するのも全てが正解でも間違いでもないので…そのニュアンスはとても難しいですね。
娘は、親子の関係でも親戚の子を預かる程度の感覚でと言ってて、親も「元々私1人が好きだもん」と言っていたあたり、この親は確かに過干渉ではあったけど娘に依存はしてなかったんじゃないかな。
ただただ、猪突猛進に進み過ぎた親というイメージ。たいていは、過干渉と共に娘への依存があるので、それがあるかないかは大きな分かれ道かもしれないと感じました(うちの母はご多分にもれず、依存がかなりの割合を占めていました)
視点としては悪くなかったと思いますが、解毒には様々な段階があるので疑問に思う人はそれで良いし、同じ毒親育ちでも感じ方に正解・不正解はないというのも番組内で触れるともっとよかったかもしれません。
最初に【「親子なら分かり合える」は幻想】と結論を示してからの番組進行で、これを大前提として見てくださいねということだったのだと思いますが、今回紹介されたケースだとその大前提が薄れてしまっている気もしました。
今回取材した方のケースを「理想」や「スタンダード」と感じた方が自分を責めてしまわないかな、というのも私の感じたことです。
他にも感じたことがあるのでまた書きたいと思います。