もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

毒家庭のテレビ事情

昔あった「ざけんなヨ!!」というテレビドラマをご存知でしょうか。

平成初期頃から何シリーズか放送されていたと思います。

毎回トレンドの女優・俳優がイライラを抱えつつ奮闘する役柄を演じ、周りのあまりに理不尽な対応に最後の最後にブチ切れて「ざけんなヨ!!!」の決めゼリフを放つのがお決まりの流れで、オチは今で言う「スカッとジャパン」に似ているかも知れません。

記憶もおぼろげですが、母が毎回このドラマを異様に楽しみにしていたことを思い出しました。

 

最後の決めゼリフのシーンでは、いつもはおしとやかな女優さんもドスのきいた声で「ざけんなヨ!!!」と怒鳴ります。

私は笑って見ていましたが、母はまるでスポーツの応援でもしているかのごとくヒートアップし「よっしゃ!行け行けぇ!」「来るぞ来るぞ~」「言った言った!」と子どもみたいにはしゃいでいました。

 

母は他の連ドラも見ていたけど、微妙な心の移り変わりを描くような柔らかいタッチの作品は興味がなかった印象があります。

わかりやすい、女同士のバトル!とか、憎しみ合うストーリーが好きなようで、ドラマにしてもバラエティにしても、とにかくバトルをして最後はスカッとする!みたいなものを好んでいました。

おそらく、ずっと「なにくそ精神」で生きていた母はそういう「最初は劣勢だったけど、大どんでん返し!」みたいなものがわかりやすく表現されているものでストレス発散していたのかもしれません。

 

母はスポーツを見るにしても比較的短時間で勝負の決まるものが好きな気がします。

特に相撲や、水泳など。

多分、野球やサッカーのような長い時間をかけて攻防を繰り返すスポーツはあまり好きじゃないんだと思います。

私は前にも言ったように野球が好きだったし、姉も野球派。

父もタイガースファンだったので夏はナイターをよくみていたけど、これも母の気分次第で「いらん!」「消せ!」と言われればチャンネルを変えられたり消させられたり。

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野球派が3人いても、1人の母のワガママがまかり通るのです。誰も言い返したりせず、当たり前みたいに従っていたけど(キレたら面倒なので)今思えばこの構図も十分おかしいですね。

 

話が逸れましたが、先日の記事を書いた時にも思ったけど

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母のこういう、導火線にパッと火がついて爆発するみたいなところ、自分が大人になって思い出してみるとまあ何て幼稚なのだろうと引きます。

母の精神年齢、低すぎないか?と。

人に対して、あまりにも繊細さに欠ける言動が多かったのはこういうことも一因になっていたのでしょう。

 

他にも、実家では上沼恵美子さんのテレビ番組もよく母がみていました。

昔「熟女がお悩み解決!」みたいな番組もよく放送されていて「ざけんなヨ!!」と同じくらい、母はヒートアップして見入っていました。

今思えば、そういう番組ってタレントも相談者を少し煽るというか、面白おかしく、きつめにコメントしてねと言われていたのだと思うし、大人になって思い出したらあんなに毎週ツッコミどころ満載の視聴者投稿なんてあったのだろうか…?とも思いますが…

それでも当時は改編で終了してもまた似たような番組をやっていたあたり、そういう番組が世間にウケていたのでしょう。

そのうちそういう番組は姿を消し、ついこの間「快傑えみちゃんねる」も突然終了しました。

もちろん、実家にいた頃は毎週夕食どきには「快傑えみちゃんねる」がついていました。

上沼さんも昔は貧しくて…という話をよくしていて、漫才で一躍有名になったけど大恋愛の末キャリアを捨てて家庭に入り、子育てから手が離れてまた頑張って稼ぐという生き方に母はある種の共感をおぼえていたのだと私は思っています。

 

どんなタレントが好きとか、どんなテレビ番組が好きとかは本人の趣味嗜好なのでとやかく言うつもりはありませんが、今思い返すと母がああいうテレビ番組をみている時のボルテージの上がり方もちょっと異常だった気がします。

少し感想を述べる程度でも話しかけると「やかましい!」「静かにして!」と怒鳴られましたが

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「ざけんなヨ!!」にしても、お悩み相談にしてもあんなに本気になって、口元を曲げながら(母がイライラしている時の独特の顔です)ヒートアップして見る番組ではないのでは?と。

 

こんな風に育ったので、私は友達の家や職場の休憩室でみんなでテレビを見た時『みんなでテレビを見るのって、こんなに楽しいんだ』と成人してから知りました。

 

ずっとあれが「家族団欒」だと思っていたけど、今思うといびつすぎて「団欒」と呼ぶには疑問が残ります。

 

コメント、スターありがとうございます。

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