もう理由なんかなくていいの

毒親との暮らし。離れるまでと離れてからのおはなし。

彼氏の友人が亡くなったときの話

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のように、バシッとものを言うのを昔はむしろ「かっこいい」と思っていたし、お店とかでハッキリとクレーム的なことを言えず泣き寝入りするみたいな人を「意気地なし」とバカにしていました。

そして、家ではこのような

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「えげつない」悪口ばかりを発する母とずっと過ごしていたためか

10代の頃の自分は誰に対しても偉そうでした。バシッと言うのも時に大事ですが、その頃の私はただ偉そうにしてるだけのガキって感じでした。

「人の気持ちに寄り添う」ということが全くできない子でした。それに悪気がなかったことがまた恐ろしいのですが。

16歳の頃、ちょっとヤンチャ系の彼氏がいました。ある日その彼氏から暗い声で電話があり「友人がバイク事故で死んだ」と。

彼氏は「アイツ、いつも注意してたんやけど、聞かんかったから…またスピード出し過ぎてたんやと思う…死ぬなんて、、あほやな…」と言ってました。実際後で新聞にも載っており、スピード超過の自損事故でした。

泣きそうな彼氏に、何て声を掛けたら良いかわからず、私は彼氏の言う通り『注意されてたのに、スピード出し過ぎるなんて!自業自得やん!』『〇〇くん(彼氏)がヘコむことじゃないやろ。その子がアホやったんやろ』と彼氏の言葉をちょこっと変えてそのまま言ったんだけど、彼氏は怒ってしばらく電話に出てもくれませんでした。当たり前です。けれど、私は彼氏を怒らせる気なんて毛頭なくて、むしろ彼氏の気分が楽になると本気で思って、そう声を掛けたのですが。

今になって考えると、私は家で「慰められる」みたいなことがなかったので、落ち込んでいる人にどうやって声をかけるべきか、本当に全くわからなかったのです。

家では、幼い頃から何かを失敗するとまず「ほ~ら!やった!(やってしまった)」と、母にすごく罵倒されました。私は母のこの「ほ~ら!やった!」が大嫌いでした(ちなみにどんなことか、というとコップが倒れて飲み物をこぼす、とか子どもならやってしまうような小さな失敗ですよ)
そして「大体、そんなとこ置いてたらあかんわ」「まあ、こぼすと思ったけど」みたいに延々と責められるので、どんな小さなことでも『失敗するって、相当ダメなことなんだ』と、ずっと思っていました。そして『次から気をつけないと…』と考え込んだり、罵倒されて落ち込んでいると「しつこい」「切り替えろ」と怒られる。

幼いと言っても4歳くらいです。

「ここに置くと、手が当たるから次からはここに置こうか」「次から気をつけよう」と、冷静に説明してくれたら理解できるのに。

だから、スピード出し過ぎで死ぬ人は「失敗したバカな奴」と、本気で思って、彼氏にもそういう言葉しか吐けなかったのでは、と今になって思います。

とにかく、その時何て声をかけるべきか?とかなり悩んだことと、知恵を振り絞って言ったのに、なぜ彼氏がキレたかわからずパニックになったことだけは鮮明に覚えています。

大体「友人が本当にバカだったかどうか」よりも、彼氏はその「悲しい」という気持ちを彼女である私にただ聞いてほしくて電話をくれてるのに、完全に論点がズレていたのも、毒親育ちだからなのかな…
程なくして、その彼氏とは別れましたが、他にもたくさんの失礼発言をしたこと、今になって謝りたいです。